世界的なファンクベーシストとして、内外のアーティストを始め、多くの人々から“優しい隣人”として愛されてきたポールのこんな素朴な願いから、1986年に"Jazz
For Kids"はスタートしま"した。トップ・ミュージシャンたちが集まって、全国の学校を手弁当で巡演するこのコンサートは、多くのマスコミ、教育関係者から支持され、現在まで全国の小中学校や高校など、すでに80校近くを訪れています。
アフリカの民族音楽と踊りから始まり、アメリカの音楽を歴史順にナレーションとともに紹介し、もうひとつのアメリカ史=黒人の迫害された歴史の紹介等、音楽鑑賞だけにとどまらず様々な視点から子供たちの感性や知性にかけ働きかけ、ハートとハートの会話を求める音楽教育コンサートです。
ところで1991年12月、ポールは暴走族の若者たちにからまれ、角膜剥離、前歯の骨折、更にはベーシストの命ともいえる右腕を複雑骨折し、全身打撲の重症を負わされました。そして1年近くのリハビリを経てようやくこぎつけた復帰コンサートの会場にポールが選んだのが少年院だったのです。
...他の諸外国に比べ、物質的にも恵まれ、苦労も少ないはずの日本の若者たちが一種の狂気を秘めている。
いったい彼らの心の環境はどうなっているのだろう?
そんな思いを込めたポールの復帰コンサートは、施設の少年たちの心を開かせ、その瞳がジャズと呼吸しながら若く住んだ輝きを放たせるほどに成功をおさめることができたのでした。
このような少年たちをイジメ、暴力、麻薬、殺人へと向かわせるモノはいったい何なのか?その病んだ根は、社会や家庭、人間関係や環境、教育といった様々な土壌の深みへと伸びているようです。そしてますます低年齢化する狂気的な猟奇殺人が続発するこの不穏な世の中で、まさに今、対地球、対諸外国、そして何よりも対人間を意識する「関係性の心」の時代を誰もが望んでいます。
ポールとその仲間たちによる"Jazz For Kids"は音楽を通じて子供達の心に「何か」を働きかけ、現代の若い芽を育んでいくことでしょう。